少し前になりますが(3/19)、「Magic Leap」が新しい動画を公開しました。
「Magic Leap」は、昨年、Googleをはじめとする名だたる企業から5億4200万ドル(655億円)という大金を集めてスタートした新しいAR(仮想現実)技術の開発プロジェクトです。
評判だけが先走っており、短時間のデモ映像が公開されているもののその実体はまったくわかってないといわれています。
それが、このタイミングで上記のデモ映像を出してきたのはどういうことなのかな、と興味を持ちました。
個人的には、MicroSoftの「HoloLenz」のデモ映像に触発されたんじゃないだろうか、と勝手な想像を膨らませました。
新しいデモ映像の最初のあたりは「HoloLenz」のコンセプトと似通った印象があります。
ただ、途中からロボットのシューティングゲームに変わり映像の大半がそれに費やされていることからも、HoloLenzとの差別化を打ち出してきたように思えます。
たとえて言うなら、
HoloLenzが家電全般のシステムとすれば、Magic Leapはゲームシステムを目指すというような感じでしょうか。
ただ、この2つの映像を見る限りでは、あくまでもそれぞれの姿勢を印象として感じられる程度で、技術として何がどう違うのかはさっぱり分かりません。見比べた感じでは、両方とも同じようなことができるのだな、という結論になりそうです。
なんだかすっきりしないのは、Magic Leap側の発する情報があまりにも少ないことによります。
ということで、いくつかWeb上で出回っているウワサを探してみたところ、以下の記事がとても詳細にレポートしてくれていました。
■ GIZMODE http://www.gizmodo.jp/2014/12/655magicleapar.html より
● 錚々たる顔ぶれ
Rony Abovitz
彼は医療ロボットのマコ・サージカル社を16億5000万ドル(1994億円)で売却したばかり(MAKO共同創業者)。
Richard Taylor(WETA共同創業者)
「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビットの冒険」「第9地区」など手がけたVFXのプロ集団・WETAウォークショップのクリエイティブ・ディレクター
Graeme Devine
ベテラン・ゲームデザイナー。
Brian Wallace
ベテラン・テックマーケティングチーフ。サムスンの広告キャンペーン「Next Big Thing」で知られる辣腕。
→ やはり、ゲーム、およびエンタテインメントが焦点なのかなという印象です。
● Abovitz氏のヒント
「(Magic Leapは)ホログラフィーではない。立体3-Dでもない」
「頭の上にホールドするのに、巨大なロボットは要らない」
「家にいなくても使える」
「市販のパーツで作れるようなものではない」
「スマホをビューマスターで覗くようなのとは違う」
→ 消去法のヒントをもらってもよく分かりませんが、つまり、とてもハイレベルな技術で作る軽量かつ高機能なデバイスなのでしょうね。
このGIZMODEの記事をさらに読んでいくと、Magic Leapが取得している特許から詳細な想像を語ってくれています。
ちょっと細かすぎてよく分かりませんが、ディスプレイデバイスだけでなく、コンテンツ側にもいろいろな新しい技術を盛り込むように感じられます。
● 目撃者の証言
ニューヨーク・タイムズのJohn Markoffという記者が開発中の技術を目撃。
「検眼室にある何かに似た精巧なビュワー」を通して眺めたら、本当に空中に3Dの生き物が浮かんで見えた」
「装置からデジタルの光照射野が網膜に投射されるという話は事実だった」
と書いているとのこと。
→ やはりビューワーは存在するということ、そりゃそうでしょうね。
もう一つ、ひそかに期待したのは、この記事の下に「Unite 2014でMagic Leapについて語るGraeme Devine氏」という動画がついていたこと。
なるほど、Uniteで語っているということは、Unityとのつながりがあるということ。てことは、「Motion Leap」のコンテンツを作るための環境としてUnityが挙がっているということなのではないでしょうか。
コンテンツ制作をする人間としては結構うれしいことです。
デモ映像から感じ取れる限りでは、Microsoft・HoloLenzの目指すところと比べると少々視野が狭いのではないかという印象を私は持ちましたが、デバイスの軽量化という点についてはとても興味深いプロジェクトです。