2016年初頭に製品版を正式リリースすると発表した「Oculus Rift」ですが、ここへ来てちらほらと新しい情報が発表されています。
正式公開に向けて期待感を高めていくために今後少しずつ情報が出て来るように思われます。
「Oculus、プレスイベントで製品版VRヘッドセットをお披露目―XBox Oneのコントローラーを同梱」
http://jp.techcrunch.com/2015/06/12/20150611oculus-rift-consumer/
6/12付けの上記のニュースでは、以下のような概要が報告されました。
・製品版はXbox Oneのワイヤレス・コントローラーが付属して出荷される。
・ヘッドセットのLEDを撮影してユーザーの顔の向きを検知する小型カメラも同梱される。
・Microsoftとの提携によりWindows 10でネーティブに作動し、Xbox Oneのゲームをプレイできる。
大くくりで言えば、Microsoftと組むことで、弱みと思われていた「入力デバイス」と「コンテンツ量」に手を打ってきたという点に、賢さを感じます。
さらに、新たなコントローラデバイス「Oculus Touch」を開発中とのこと。
プレイしている際のVR空間内での見栄えなど詳細は分かりませんが、デバイスの写真を見る限るは手を使っての制御の自由度が高まりそうです。
そして、こうなってしまったからには私も試していたLeapMotionとの合わせ技はちょっと広まりそうにない気がしてきます。
実際、LeapMotionでは手の動きの感知度が今一つ物足りないように思えましたが、それは手を動かす範囲が制限されるからでした。
この両手に持つコントローラであれば、指の動きこそ再現できないでしょうが、手の動きは広範囲にキャプチャーできそうです。
しかし、個人的にひっかかる最後の課題は、
(1) ヘッドマウントディスプレイがコードレスでないこと
(2) パソコンが無ければ使えないこと
の2点です。
まず(1)ですが、Oculus DK2を使ってみて、正直セットアップが面倒すぎると思いました。
製品版の写真を見ると、HMDから出ているコードが1本になっているので少しは軽減されたようですが、それでもそこそこの手間にはなるでしょう。
公開が待たれるMicroSoftの「HoloLenz」がコードレスであることを知って以来、このコード接続が気になって仕方がありません。
たとえばVR用のアクションゲームを作ろうと思うと、どうしてもこのコードが邪魔に思えてきます。
DK2のコードはそこそこ長いものでしたが、それでも少しPCから後退すると突っ張ってしまいました。
臨場感を売りにするVRシステムにとっては大きな課題なのではないでしょうか?
そして(2)について。
以下は少し前の記事ですが、
「Oculus Riftを使うためのセットアップ費用は一体いくらかかるのか?」
http://gigazine.net/news/20150606-oculus-rift-setup-cost/
この中には
「そのセットアップにかかる費用は1500ドル(約19万円)以下に抑えられる見込みです。」
という記述が見られます。
およそ1000ドル以上のハイスペックなマシンが必要と伝えています。
「費用の19万円が高いのか、それとも最新の技術を堪能するのには妥当な値段なのか、」を記事は締めくくっていますが、一般人がそろえるには高いハードルと言わざるを得ないでしょう。
対象が一般人ではなく熱心なゲーマーだったとして、PS4など人気のゲーム機器が4~5万で買えることを考えれば、たとえVRゲーム用だとしても割高といってよいのではないでしょうか?
コードがついてPCと接続しなければ動かせないデバイス、となるとこれはやはりゲームマシン、もしくは業務用の仮想体験マシン、という2通りの道しかないように思えます。
ゲームマシンとしてこのコスト感でユーザーを獲得していくには、よほどすごいコンテンツが出てこない限り厳しいのではないでしょうか。
むしろ、業務用の仮想体験マシン、という方がよほど分かりやすそうです。
さらに改良を重ねるか、デバイスを格段に安く提供できるサービスの仕組みを用意するなど、対策が必要ではないかと感じます。
また、HoloLenzの公開を控えながらもOculusと協力するMicrosoftを見ていると、HoloLenzはMagicLeapとは違いゲーム市場はあまり狙っていないのかなという憶測もわきます。